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下にも書いたように、前奏曲集第1巻第4曲の冒頭1小節全体を下属調のV9と考えることにはどうしても納得がいきません。
4-5拍のバス音 e が第3拍の和音の根音に聞こえるからです。
つまり1-2小節にかけてI-V7-I と聞こえるのです。
前奏曲集の第2巻になると、ドビュッシーは古典的な和音進行を放棄することにほとんど抵抗をもたなくなっていますが、この第1巻では、ほとんどの作品が古典的和音進行を骨組みにして、それにさまざまな変化を与えるという構造をとっています。
1小節目の最後 e が2小節目の最初 a に入ったとき、やはりD-Tという古典的進行が骨組みになっていると思うのです。

No1_4Analyse.jpg

そしてこの和音進行を聞いたときにすぐに思い浮かべるのは、リストのよく知られた作品「ハンガリー狂詩曲第2番」の冒頭です。
和音進行は長三和音→根音が4度下の減5短7で、ドビューッシーのこの作品と同一です。

6c261f78.jpeg

D-Sは古典派では例外的な進行でしたが、ロマン派以降徐々に多用され始め、近代ではすでに日常的な進行になっていました。
V-II7-VをI-V7-I に置き換えて用いたリストのアイデアの借用なのではないでしょうか。


20121008389

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