忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ラの音から音名を書いてみます。

日本語→イロハニホヘト
英・仏・伊語→abcdefg
ドイツ語→ahcdefg

ドイツ語だけ順番がおかしいですね。
これには変化記号が作られた歴史が関係しています。

グレゴリオ旋法には、元来変化記号はありませんでした。
ただ、ファとシが作る増4度の音程(三全音tritonus)は、不安定で居心地が悪かったため、シの音を半音下げて歌っていました。
これはmusica ficta(作った音)、またはmusica falsa(嘘の音)と呼ばれ、グレゴリオ聖歌を歌う際、慣習的に行われていました。
このため、最初の変化音は変ロ音だけでした。
楽器作成のサイトで、当時の楽器(keyed monochord)のレプリカを見ることができます。


この変ロ音とロ音を区別するために、二種類のbをデザインして区別することにしました。
ロ音は変ロ音に比べて響きが固く感じられたので、bを四角くデザインし、変ロ音にはそのままのbを使いました。
そのままのbは柔らかいbという意味でbemolle(ベモッレ)と呼び、四角いbはその形の通りbequadro(ベクァドロ)と呼ばれました。


そのままのbが変記号(フラット)に、四角いbが本位記号(ナチュラル)に変化していき、イタリアやフランスでは、今日もその名で呼ばれています。

これを印刷するときに、楽譜のために活字を一つ増やさなくてはいけません。
これを不合理と思ったドイツ人は、区別できればよいのだからbに似ていて違う文字hをロ音に用いることになり、ドイツ音名として定着していきました。


20130225592


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
issue
年齢:
74
HP:
性別:
男性
誕生日:
1950/12/05
職業:
音楽大学作曲学科准教授
趣味:
スコッチ・シングルモルト
バーコード
ブログ内検索
忍者アナライズ
カウンター
忍者ブログ [PR]
Copyright(C) issue's blog All Rights Reserved