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一人、新しい生徒の音楽理論のレッスンが始まりました。
もう30年以上も教えているのに、新しい生徒のレッスンのスタートは難しいですね。
少しずつ教え方を変えてきたとはいえ、ほぼ同じ内容を教えているのですが、生徒によって理解度や受け取り方が微妙に違います。
ソルフェージュが苦手な生徒、理論的思考が苦手な生徒、日本語が苦手な生徒、記憶が苦手な生徒・・・
さまざまなタイプの生徒の資質を見分け、それに応じて説明にかける時間や例を、臨機応変に変えていきます。
今日の生徒はソルフェージュが苦手。
音楽理論は固定ドと移動ドを使い分けて学習します。
教えているとすぐに移動ドが苦手と分かったので、課題の下に音階を書かせ移動ドの振り仮名を振らせて、一音一音確認させながら説明をしたところ、確実に理解してくれました。
次回からのレッスンが楽しみです。

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NHKBSプレミアムで、ギドン・クレメル ピアノトリオ演奏会を観ました(録画ですが)。
ギドン・クレメル・・・懐かしい思い出のあるヴァイオリニストです。

大学2年のころでした。
大学に入るまでまでFMの音楽番組を録音(エアチェック)するときは、オープンリールデッキを使っていました。
人からもらったテープを聴くためだけに、中古で購入したカセットデッキを使いました。
それが、音質が向上し、ほとんどの人がカセットデッキに移行したために、自分でも新しいデッキを購入するはめになりました。

そこで試しに録音したのが、デビュー間もないギドン・クレメルのスタジオ録音です。
いろいろな曲を演奏していたのですが、記憶に残っているのは、エルンストの「夏の名残のバラ(庭の千草)による変奏曲」です。
主題は誰もが知っているメロディですが、この変奏曲を聴いたのは初めてだったので、印象に残ったのでしょう。
いい演奏でした。
一度聞いただけでファンになりました。
その後瞬く間にスターになっていくのを、心の中で拍手をしながら見守っていました。

去年の11月、サントリーホールでの演奏会(聴きに行くことはできませんでしたが)を2回に分けてNHKで放映した、その2回目です。
前半はフランクがまだ若いころのめずらしいピアノ三重奏曲。
でも、これは二・三楽章だけ。
時間の都合か、著作権の都合か・・・全曲聴きたかった。

後半はフランクの名曲ヴァイオリンソナタ。
何度聞いても感動する作品です。
久しぶりに聞いたギドン・クレメル。
?なにか変りました?
なんでしょう・・・

フランクのヴァイオリンソナタは、晩年の作品とは言いながら、ヴァイオリニストがデビューリサイタルでよくとりあげる作品で、わくわくするような躍動感あふれる作品です。

それが全く違う装い。
静かで淡々と弾き続けています。
年を取って枯れてきたの?
違うでしょう。
クレメルは私の3歳上。
枯れるというような年ではありません。

ではこの演奏は何?
無情な寂しさまで感じます。
もちろん最終楽章の盛り上げは素晴らしいのですが、聞き終わった後に諦観のような虚脱感まで感じました。
何かあったのでしょうか?
宿題をもらったような気がしました。


追記:この寂しさを「メランコリー」と表現している方がいたのでリンクしておきます。同じように聴いていた方がいたのですね。→

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朝日新聞3月10日の求人広告面に諏訪内晶子のインタビューが載っていました。
チャイコフスキーコンクールで優勝した翌年、アイザック・スターンに演奏を聴いてもらった時の話です。

スターンから「あなたはなぜここをこう弾くのですか?」と聞かれ、答えられずにいると、「先生が教えてくれたからと、そのまま従うのは改めなくてはなりません」と忠告されたという話があり、諏訪内はプロになることの厳しさを知り、すぐにプロになるのをやめ、ジュリアードへの留学とコロンビア大学での聴講を決めたそうです。

務めている音楽大学での最初の授業で、新入生に話している内容と共通する部分が多かったので、嬉しくなりました。

音楽大学のカリキュラムは、音楽実技・音楽理論・音楽学・一般教養・外国語と音楽教育学(教員免許用)に分類されます。
それぞれが一体になってプロの音楽家を育てています。

学生のうちはなかなかそれに気づかず、自分の専門実技を学ぶことだけに集中しがちですが、大学を卒業するとそこで先生からのアドバイスはなくなります。
そこから音楽実技以外の勉強の蓄積がものをいってきます。

新しい作品と対峙した時、楽譜の背景にあるものを読み取ることから自分の表現が見えてきます。
音楽を勉強している皆さんは、ぜひ諏訪内さんの言葉を覚えておいてください。

20130310626

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白い音が聞こえてきます。
といっても、何のことかわかっていただけないと思いますが・・・

少し疲労がたまっていて、前の創作から時間がたって、音楽的な刺激を受けた時に、頭の隅の方で響く音にならない音です。

これが次の作品を作るきっかけになることもあるし、ならないこともあるのですが・・・
以前は頻繁に聞こえていた音でした。
年を取ったのですね。
創作意欲が枯れてきたのかな?

この音が熟成してほしい。

20130226597


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ラの音から音名を書いてみます。

日本語→イロハニホヘト
英・仏・伊語→abcdefg
ドイツ語→ahcdefg

ドイツ語だけ順番がおかしいですね。
これには変化記号が作られた歴史が関係しています。

グレゴリオ旋法には、元来変化記号はありませんでした。
ただ、ファとシが作る増4度の音程(三全音tritonus)は、不安定で居心地が悪かったため、シの音を半音下げて歌っていました。
これはmusica ficta(作った音)、またはmusica falsa(嘘の音)と呼ばれ、グレゴリオ聖歌を歌う際、慣習的に行われていました。
このため、最初の変化音は変ロ音だけでした。
楽器作成のサイトで、当時の楽器(keyed monochord)のレプリカを見ることができます。


この変ロ音とロ音を区別するために、二種類のbをデザインして区別することにしました。
ロ音は変ロ音に比べて響きが固く感じられたので、bを四角くデザインし、変ロ音にはそのままのbを使いました。
そのままのbは柔らかいbという意味でbemolle(ベモッレ)と呼び、四角いbはその形の通りbequadro(ベクァドロ)と呼ばれました。


そのままのbが変記号(フラット)に、四角いbが本位記号(ナチュラル)に変化していき、イタリアやフランスでは、今日もその名で呼ばれています。

これを印刷するときに、楽譜のために活字を一つ増やさなくてはいけません。
これを不合理と思ったドイツ人は、区別できればよいのだからbに似ていて違う文字hをロ音に用いることになり、ドイツ音名として定着していきました。


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